肺がんとイレッサによる間質性肺炎

間質性肺炎と肺がんの関係を考える場合、イレッサによる副作用を無視するわけにはいきません。これまでに死者も多数出している深刻な問題であるためです。

承認当初、イレッサを肺がんに使った副作用で間質性肺炎が悪化してしまい、最悪の場合には死亡につながるといったことが数多く見られました。この背景には、新薬であったイレッサの使い方について十分な認識が根付いていなかったことが関係しています。

安全性の高いな新薬として期待されていただけに、副作用のリスクについてはあまり考慮されておらず、安易な投与が行われていたことが、死者を多数出すことになってしまうことにつながっていました。亡くなった方は間質性肺炎を発症していた場合や、その前段階にあったケースが多かったとされています。

たしかに、イレッサは間質性肺炎を悪化させることがあります。しかし、それらの前兆がない方であれば安全性は高まりますし、他の薬剤によって効果が期待できない場合には副作用のリスクを十分に理解したうえで使うのも一つの選択になるでしょう。

薬には効果だけではなく、副作用が存在するのが常です。まったくリスクがなく劇的に奏効する夢のような薬は開発されていないのです。副作用を甘く見るのは間違いですが、その部分だけに注目するのも適切ではありません。効果や他の治療法との兼ね合いも考えて、全体像を見てください。

イレッサを使うことで間質性肺炎を患うことになることや、急激に進行してしまう危険性はなくなったわけではありません。だからこそ、患者さんとしても十分な理解をしたうえで使用の有無を決めてほしいのです。

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